・災害対策に重点をおいた新築中学校の設備設計(東京都) /池田 大輔、殿山 英高
・温泉集中配湯システムの高効率化改修工事について
―穂高温泉郷西穂高地区― /道川 新、瀧ケ崎 達也
・くじゅう管理官事務所のZEB設計 /早川 大輔、久保田 淳司)
・膜構造建築の設備設計
―タカムラコーヒーロースターズファクトリー&カフェ淡路島― /向阪 美喜子、森下 真也
・空港エプロン照明のLED 化について /鍬本 裕二、東 拓己
広島市中区富士見町PRJ (ヒルトン広島)
キーワード:国際会議、ヒルトン基準、五つ星ホテル
設計・監理本部 | 第1設計・監理グループ | 担当部長 | 尼子 哲 |
設計・監理本部 | 第2設計・監理グループ | 担当部長 | 泉 佳克 |
設計・監理本部 | 第2設計・監理グループ | 担当部長 | 野木村 強 |
本プロジェクトは、(株)瀬戸内ブランドコーポレーションが設立した特別目的会社である富士見町開発合同会社が、広島市における大規模な国際会議を開催できるスペースと、開催会議の参加者が宿泊するのにふさわしい品質のホテル機能を備えた施設の整備を目指し、運営をヒルトンに委託したものである。
ホテルの客室数は420室を有し、チャペル、レストラン、バー、スパ、フィットネス、プールなどを備えている。また、国際会議の開催が可能なコンベンションホールのほか、大小の会議室が備えられている。開業は2022年秋を予定している。
本設計を進めるにあたりいくつかの課題があったが、その中の一つとしてヒルトン基準への準拠が挙げられる。日本国内法とのギャップを埋めていくため(基本的には国内法に準拠)ヒルトン担当者とのチェックリストでのやり取りやディスカッションを密に行い、設計を進めた。
建物全景 |
ボールルーム |
低層階熱源フロー |
[写真提供] 五洋建設(株)
災害対策に重点をおいた新築中学校の設備設計(東京都)
キーワード:中学校、避難所対応
設計・監理本部 | 第2設計・監理グループ | 主任技師 | 池田 大輔 |
設計・監理本部 | 第1設計・監理グループ | 主任技師 | 殿山 英高 |
東京都某区における学校施設の更新事業に基づき、旧校舎の解体工事を経て、中学校新校舎の新築工事が実施された。本校は災害時における地域住民の一時避難施設としての機能を有する学校である。校舎は2~4階に体育館、屋上にプールを有する地上5階建で、教室と運動施設が一体となった建物である。
建築設備面では太陽光発電の設置、災害時における一次避難所の利用を考慮した体育館空調への電源自立型ガスヒートポンプエアコンの採用、都市ガスが遮断された際にもガスを供給できる災害時臨時ガス発生装置の設置などを実施した。
また給排水衛生設備では、1階のトイレにレジリエンストイレを採用、プール水を洗浄水として利用できる給水システムの構築、災害時に汚水を貯留できるように災害時用汚水槽および切替桝の設置を行った。
弱電設備の主要機器についても、監視の容易性と浸水時を考慮し2階の総合盤に集約し、副盤を1階に設置した。
体育館 |
太陽電池アレイ |
災害時の体育館系統GHP廻り システムフロー図 |
温泉集中配湯システムの高効率化改修工事について
―穂高温泉郷西穂高地区―
キーワード:温泉配湯、CO2 削減、補助金、BIM
設計・監理本部 | 第1設計・監理グループ | 部長 | 道川 新 |
設計・監理本部 | 第1設計・監理グループ | 課長 | 瀧ケ崎 達也 |
2021年4月時点で2050年カーボンニュートラルを表明している国は、125カ国・1地域に達しており、また世界最大のCO2排出国となる中国は、2060年までにカーボンニュートラルを実現することを表明している。
世界的に脱炭素社会実現に向けて加速している状況であるが、我が国の2040年頃を目処に温室効果ガスの排出実質ゼロの実現に貢献する先導的モデルの構築を目指し環境省が創設した「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」を活用した事業として、穂高温泉供給(株)が温泉を供給する区域のうち、西穂高地区に対して実施した温泉集中配湯システムの高効率化改修工事の内容について紹介する。
BIMモデルCG画像 |
P2ポンプ所(改修後) |
各ポンプ所、配湯所電力消費量比較【4月】 |
くじゅう管理官事務所のZEB設計
キーワード:ZEB 設計、省エネ、創エネ、太陽光発電
九州事務所 | 設計・監理部 | 課長 | 早川 大輔 |
九州事務所 | 設計・監理部 | 課長 | 久保田 淳司 |
我が国は、2020年10月に2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言した。また、2021年6月9日に地域脱炭素ロードマップが公表され、公共施設についてはネット・ゼロ・エネルギー・ビルを率先して実施することとされている。
本報告では、環境省九州地方環境事務所 くじゅう管理官事務所の新築に係る設計において、建設予定地の立地環境や施設規模等から当該施設の100%『ZEB』の実現を目的とする設計内容とZEBの診断方法による比較を紹介している。
建築パース(正面) |
モデル建物法による計算及び評価結果 |
膜構造建築の設備設計
―タカムラコーヒーロースターズファクトリー&カフェ淡路島―
キーワード:膜構造建築物、焙煎工場、飲食店、倉庫
大阪事務所 | 第1設計・監理グループ | 課長 | 向阪 美喜子 |
大阪事務所 | 第2設計・監理グループ | 主任技師 | 森下 真也 |
本建物は、大阪・西区にあるワインとコーヒーの専門店タカムラワイン&コーヒーロースターズの2号店として、淡路島に出店された焙煎工場を併設するカフェ、タカムラコーヒーロースターズ ファクトリー&カフェである。この建物の構造は屋根を骨組膜構造、外壁はガルバリウム鋼板で構築されたものとなっている。2002年に建築基準法において膜構造が告示化され、他の一般的な構造方法と並ぶ位置づけとなり、構造、防火、材料に関するそれぞれの規定が定められ、建築の中の一つの分野として認められている。
本稿では、膜構造で構成される大空間に対しての空調、換気の考え方、珈琲ショップ、焙煎工場、倉庫を併設する膜構造建築物においてフレキシブルな将来対応が求められる電気設備の設計概要について報告する。
店舗棟外観 |
店舗棟内観 |
空港エプロン照明のLED 化について
キーワード:空港エプロン照明、LED 投光器、省エネ
大阪事務所 | 第1設計・監理グループ | 主任技師 | 鍬本 裕二 |
大阪事務所 | 第1設計・監理グループ | 技術員 | 東 拓己 |
世界的にSDGsに取り組む現状において目標7の「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」には省エネルギー化、脱炭素化も含まれている。
空港においては、国土交通省により航空機の離陸又は着陸を支援する飛行場灯火も2030年までに100%LED化を達成するという目標が設定され、旧形式の器具からLED器具への更新が進められている。
本稿では、空港で使用されるエプロン照明灯(乗客の乗降りの際、航空機が駐機するエリア照明)のLED化設計における留意点、LEDと旧器具との比較、CO2削減量の検討について報告する。
航空灯火システム概念図 |
エプロン照明灯柱 |
[航空灯火システム概念図] 国土交通省HP