・大原美術館新児島館(仮称)プロジェクト 設計業務 /友野 啓司、仙波 理樹
・環境調査・分析会社新社屋における機械設備設計 ―アサヒテクノリサーチ新社屋― /清木 優太
・裁判所の設備設計 ―広島地方・家庭裁判所福山支部・福山簡易裁判所― /内舘 康太、根田 瀬里加
・植物園の受変電設備及び空調熱源設備改修工事設計業務 /安部 洋一、向坂 将太
・温泉ホテルにおける温泉熱賦存量、給湯熱需要量の実態調査 /澤部 孝一、三毛 正仁
宇都宮大学農学部附属農場管理棟の設備設計
キーワード:ZEB、研究施設、木造建築、太陽光発電
設計・監理本部 | 第3設計・監理グループ | 担当部長 | 石川 昭一郎 |
設計・監理本部 | 第1設計・監理グループ | 担当部長 | 尼子 哲 |
本報告では、国立大学法人宇都宮大学下籠谷キャンパス(附属農場)に2023年3月に竣工した管理棟について紹介する。
本物件は、ZEB(BEI≦0.00)の認証取得を必須条件としたプロジェクトであるため、省エネルギー機器の採用は勿論、建築外皮性能等について設備設計としても可能な限り建築設計側と調整を行いながら業務を進めた。
本報告では、ZEB認証取得までの設計手法や注意点等について紹介するとともに、木造建築という条件での設備設計に関する注意事項等も述べていきたい。
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建物全景 |
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研究室照明およびリーラーコンセント |
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1階講義室空調・換気設備 |
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エントランス・ホール |
[写真提供] 宇都宮大学
大原美術館新児島館(仮称)プロジェクト 設計業務
キーワード:収蔵庫、展示室、重要文化財
大阪事務所 | 第2 設計・監理グループ | 担当部長 | 友野 啓司 |
大阪事務所 | 第1 設計・監理グループ | 主任技師 | 仙波 理樹 |
大原美術館新児島館は、岡山県倉敷市の倉敷川を軸とする地域に広がった美観地区に位置する。近隣の建物は、大原美術館、大原本邸旧大原家住宅、有隣荘など大原家ゆかりの歴史的建造物が立ち並んでいる。
大原美術館新児島館は、1922年(大正11年)に大原孫三郎により旧第一合同銀行倉敷支店として竣工した。ステンドグラスの窓、ファサードに柱を配置したルネサンス様式の建物は、1998年(平成10年)に国の登録有形文化財に選定され、後に市の重要文化財に指定されている。旧第一合同銀行倉敷支店の後は、中国銀行倉敷本町出張所として2016年(平成28年)まで長きにわたり市民に親しまれ、また、美観地区を構成する大きな役割を果たしてきた。
本設計業務は、銀行であった文化財の改修および増築を行い、美術館としてアップサイクルし、建物に新たな命を吹き込むものである。
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新児島館正面外観 |
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既存部1階展示室(旧銀行窓口) |
環境調査・分析会社新社屋における機械設備設計
―アサヒテクノリサーチ新社屋―
キーワード:分析センター、特定施設、ドラフトチャンバー、外気処理
広島事務所 | 設計・監理部 | 技師 | 清木 優太 |
分析、実験等の施設では酸や有機溶剤を使用しており、給排気や排水の設計を慎重に行う必要がある。
特に、給排気は、作業者の健康だけでなく、精密な分析装置の管理のためにも設計上重要なポイントとなる。また、コンタミネーション(汚染)の対策も不可欠である。
今回紹介するのは株式会社アサヒテクノリサーチの新社屋で、環境分析、品質分析、材料分析、作業環境分析、アスベスト分析など幅広い分析を行っており、新社屋の設計において施主から機械設計に関して最先端の要望があった。
本報告は、施主から要望に対して設計した作業内容別の分析室用のエアハンドリングユニットによる外気処理やドラフトチャンバー・スクラバーによる排気処理および、実験廃液の特定施設や除害施設の排水管路計画について紹介を行う。
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建物全景 |
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実験室給排気フロー |
裁判所の設備設計
―広島地方・家庭裁判所福山支部・福山簡易裁判所―
キーワード:庁舎、裁判所、ユニバーサルデザイン、省エネルギー、太陽光発電
設計・監理本部 | 第3設計・監理グループ | 主任技師 | 内舘 康太 |
設計・監理本部 | 第3設計・監理グループ | 技師 | 根田 瀬里加 |
広島県福山市に、広島地方・家庭裁判所福山支部・福山簡易裁判所が2022年(令和4年)10月に竣工した。
本施設は、1976年(昭和51年)築の旧庁舎の老朽化に伴い建て替えられたものであり、広島地方裁判所福山支部のほか、広島家庭裁判所福山支部、福山簡易裁判所及び福山検察審査会が入居している。
本施設は、福山市民ひいては国民に寄り添った司法の拠点として、その役割を担っている。
本報告では、裁判所の設備設計の特徴や施設特性を踏まえた環境負荷低減方法などに触れつつ、その設備概要を紹介している。
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建物全景 |
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屋上太陽光発電設備 |
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合議法廷 |
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1階機械室 |
[写真提供] (株)あい設計
植物園の受変電設備及び空調熱源設備改修工事設計業務
キーワード:植物園、受変電、ダブルバンドル型チリングユニット
大阪事務所 | 第1設計・監理グループ | 主任技師 | 安部 洋一 |
大阪事務所 | 第2設計・監理グループ | 主任技師 | 向坂 将太 |
1987年に建設された展示棟、温室棟、管理棟、設備棟からなる植物園の、展示棟にある受変電設備及び設備棟の受変電設備改修工事及び空調熱源設備改修工事の設計について紹介する。
受変電設備、空調熱源設備は竣工後、約35年経過しているが、監視制御に関わる計器類、計器用変成器類、重要機器である高圧遮断器(VCB)等、ほとんどが竣工当時のままであり、耐用年数(10~15年)を過ぎている。不具合発生の都度メンテナンスを行っているが、動作不良や故障による信頼性の低下が懸念される。
今後、安定した電源供給を維持し、温室施設をより魅力なものとするために本計画を行う。
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受変電設備 単線結線図 |
温泉ホテルにおける温泉熱賦存量、給湯熱需要量の実態調査
キーワード:再生可能エネルギー、温泉熱、実態調査
環境・エネルギーソリューション部 | 主任技師 | 澤部 孝一 |
環境・エネルギーソリューション部 | 部長 | 三毛 正仁 |
温泉は全国に27,000箇所以上存在しており、地域の再生可能エネルギー熱源として高いポテンシャルがある。しかしながら、技術や導入効果の理解がまだまだ浸透しておらず、温泉宿等で温泉熱賦存量(理論上潜在的に存在していると算出されるエネルギー量)や熱需要量の実態、熱利用効果が分からないことから、温泉熱の有効活用が進んでいない状況である。
本報告では、温泉宿における温泉熱賦存量、熱需要量を把握することを目的に、一例として東北地方の源泉所有宿泊施設での温度や流量の実測を行った。実測結果より給湯系統に温泉熱利用システムが導入された場合のCO2削減可能性についても検討を行った。
今後は、検討結果をもとに、当該施設での温泉熱利用導入に向けてより詳細な検討および支援を行う予定である。
[ システム概要図と実測箇所 ] |
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本館 |
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別館 |
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温泉熱賦存量と熱需要量実測結果 |